◆ 自治会の課題とその対策

自治会の課題は、自治会の規模や成り立ち等の環境の違いが有るので一概には言えませんが、おおよそ下記のような点が共通課題と思われます。

● 自治会員が、急速に高齢化している。
● 役員のなり手が居ない。
● (規模が小さいため)予算不足で、行事を行えない。
● 会合をする場所が無く、役員会の開催に支障が有る。
● 新規加入者が少なく、加入率が低下している。
● 一部役員が暴走して周囲が困惑している。


■■ 自治会員が、急速に高齢化している!

ある時期に一斉に土地分譲が行なわれ、戸建てが一斉に建てられたような地域や大型の分譲マンション等の場合、10数年経つと自治会員の半数が皆70代から80代になってしまい、体力の要る行事を企画出来なくなります。日常の買い物すら難儀するような状況になったら、とても自治会活動-特に役員として活動に参加することは不可能と思われます。

自治会の高齢化が進み、今は「自治会を解散しよう!」と言う動きまで有ります。本当に困った事です。
解決策は、「隣の大きな自治会や若者の多そうな自治会と合併するしかないのでは?」と思い提案したことが有りますが、残念ながら断られました。多分、大きな自治会なので、「色々な役職が回って来て今より大変になる!」と感じられたと思います。災害時等困ると思うのですが、どうするのでしょうかね?


■■ 役員のなり手が、居ない。

「役員のなり手が居ない」理由は、実は2つ有ります。
1.自治会員の高齢化が進み、役員業務を実行出来ないため、役員になれない。
2.役員が固定化し、新規に役員になった人の意見が全く取り上げられないような状況である
ため、役員に応募しない。


■■ 加入率の低下

新規加入者が少なく、加入率が極度に低下している自治会が、多数有ります。自治会の基本的な性格として「地域を代表する組織」であると述べましたが、加入率が50%以下となるとその代表性が問題となります。住民意思の集約や活動を十分に出来ない事が想定され、問題です。


■■ 一部役員が暴走して周囲が困惑している。 (2016.8.19更新)

一部役員(会長であったり、会計責任者であったり色々・・・)が極端な言動をとり、周辺の役員が非常に困っている場合が有ります。昔から有る(自治会館とまでは言えないが)自治会の会議室の建物を会長名義で不動産登記をしているので、「あの建物は俺のものだ!」と言い出したりする。仕方なく会長名義にしているだけなのにボケて忘れてしまう。また、自分がやっている業務と関係づけ、私的利益を得ているように見える状況(例:自治会の発注物件を必ず自分の会社を通してしまう)の場合等が有ります。表面的には、行事に良く参加したり担当の仕事をそれなりに行っている場合が多いので、面と向かって言動を正すよう言えないとか文句が言えない場合が多いです。また、何と言っても近所に住んでいる事もあり、揉め事は避けたい!のが心情です。「嫌なら貴方がやれば!」と言われるのが怖いと思う等が普通です。時々あるケースですが、会長に予算作成権が無く、実質何ら自治会行事を計画出来ない状況に在る場合が有ります。「会長は、名目的に居れば良い」状況です。これも困った状況です。
最近知った事ですが、「XXを良くする会」とか「私は、皆のためを思ってこんなにしているのに・・・」と言うタイプの中身は、「実は、自分のやりたいようにやる」事が目的だったりします。どうも本人は、あまり良く分かっていないでやっている場合が多いです。

暴走タイプは色々有り、困り方も色々です!

暴走タイプを考える場合、暴走の中身がどこまで意識的か知る必要が有りますが、中々見抜けません! 大体が、議論をすると無関係な事を引き出して来て、分からない議論を声高に仕掛けて来る場合が多いようです。議論にならない!

残念ながら、私も経験しています。対処策は、2年間位情報収集をして自分なりの自治会運営の構想を練り、最終的には会長職を引き受け、自分の構想を実施しました。
この解決策は、どなたにでも勧められる案ではないので良い案とは言えません。また、体力・知力の充実した状態でないと、無理かも知れません。


■ 自治会の課題への対応策

全国約30万の自治会・町内会が抱える課題は、多種多様でかつ地域固有の背景を有するものですから簡単に答えの出せる問題ではありません。過去の対策例も参考にして、ヒントにでもなればと思います。

自治会課題の原因を成すものに「小規模」があります。私の知る例では、5世帯で1自治会と言う例が有ります。10~15世帯程度の自治会は、多数あります。これらの自治会に対して、活発な活動を期待するのは無理だと思います。
「小規模」に関する簡単な要因関連図を考えて見ましょう。

小規模組織 → 年間予算が少ない →
↑  → 役員数が少ない  → (大規模な)行事が出来ない
|  → 企画力が無い   →      |
|                    ↓
新規入会が少ない  ← ― ― ― ―  魅力が無い

「大規模な行事」=魅力的! と言うのも短絡的ですが、超小規模で魅力的な行事が出来ると言うのは、ほぼ無理と思います。

解決には上記の要因関連の鎖を、断ち切れば良い訳です。
自由な発想の下で考えて見ましょう! もしかしたら自分達に合った案(あるいは基になる案)が見つかるかも知れません。

[対策案]
案1.加入促進運動を、計画的に実施する。
加入促進担当役員を選任する。
案2.若い人が、自治会の状況を分かるようにホームページを開設する。
案3.近接する自治会と共同行事を企画する。
案4.近接する自治会と自治会連合体を結成し、実質大規模化する。
案5.近接する自治会と合併する。
案6.年会費を大幅増額する。
案7.予算を1つまたは2つ位の行事に集中して使用する。
案8.地域内の高校生に「魅力的な行事案」を検討してもらう。