◆ 自治会会計の基本的な考え方

自治会/町内会の会計について、私が最も大切にしているのが「透明性の確保」です。任意団体のため、会則にしても会計規則や会計運用基準にしても、これでなくてはいけないというものが無く、また古くからの慣習や声の大きい人の意見に左右され易い状況が有りますので、尚更透明性の確保が重要だと思うのです。

透明性の確保のため実施して来たのが、「ホームページによる会計報告の公開」です。それと、「行事企画書兼実施報告書」の運用です。これにより、会計内容は、非常に分かり易くなったと思います。

最近知ったことですが、「役員手当の中に担当役員が必要とする事務費や雑費を含ませ、自主的に活動させる」と言う方式を執っている所が有ります。これは、透明性の面からは、かなり問題が有るように思われます。

◆ 自治会の会計費目

自治会の会計費目は、過去の経緯や行事内容によっても異なりますし、自治会館のような不動産を持っているか否かによっても大幅に異なります。残念ながら、私は、自治会館のような施設を有する自治会の役員をした事が無いので、その運営の難しさは分かりません。多分問題になるのは、自治会館に関して個人名義の部分が生じ、税金申告時自治会部分が混入してしまう場合だと思われます。

自治会の会計費目は、大きく次のように分かれます。

(1)収入の部
・前年度繰越
・会費
・補助金:市区町村の資料回覧費用。競輪・競艇・XX施設からの補助金
・寄付金
・雑収入
(2)支出の部
・総務費(固定費):事業の実施有無に関係なく、会の運営上支出する費用で、通常下記のような費目が有ります。
– 事務費
– 会議費
– 交通費
– 行動費
– 慶弔費
– 分担金
– 通信費
– 雑費
・事業費(変動費):会の運営方針により実施される各種事業支出で、自治会により大きく異なります。
– 防災関連費 ※自主防災組織支援費含む
– 敬老金
– 葬祭支援費
– 環境美化推進費
– 子供会支援費
– 卒業記念品費
– 天文教室費
– BBQ(バーベキュー)大会費
– バス旅行費
– ボウリング大会費
– ゴルフ大会費
– テニス大会費
– 凧揚げ大会費、等

◆ 費目別説明

■■ 自治会役員報酬

自治会役員の報酬・手当は、ボランティアと言う事もあり、また会費徴収額が少額(月額200~500)なため、支払われない場合が殆どです。

[補足](2015.10.7更新)
自治会会費について、私の認識不足が有りました。申し訳ない! Webで調べていたら、

新規加入費=102,000
会費=月額1,200 (年間14,400)
募金(強制!)=1,200

何て言うのも、あるらしい。その上、行事は、ほぼ全て全員参加!とか。全く任意団体として「任意加入、任意退会」である事を知らない地域があるようです。その上に、町村役場が「ごみ出しは、自治会にお願いしていますので…」等と言う所もあるようです。加入しないと、ごみが出せない!加入しないで、個人で戦うのはかなり辛いでしょうね。

 ■■ 飲食費の取扱い

かっては、私の経験では自治会での飲食費は、かなり有りました。役員新年会の2次会費用まで、支出していたことも有ります。また、役員会の開催が夜間の場合が多かったため、菓子類や軽食が支給されている時期も有りました。これらは、会長方針で大きく変更されます。

私が会長の時代には、「原則、菓子類・軽食提供禁止」としました。
許可したのは、次の事項です。

– 定期総会時の新旧役員交代会食費
この場合、役員以外で来場した会員も懇親会参加可能です。
– 新年役員会の会食費
– 特に暑い日のソフトドリンク費

■■ 通信費の取扱い

ここで言う「通信費」とは、役所等への郵便を出す場合の切手代の事ではなく、主に自治会幹部が役員召集の連絡や各種行事を推進するための電話連絡費用の事を、指します。会長への電話連絡と会長が各所に連絡する電話は、活動が活発である程多い訳です。私の経験では、次のように対応しています。

①連絡網を組織し、必ず連絡網を使う。そのため、特別「通信費を支給する事を、しなかった」。但し、役所への連絡等には使えず、会長の自己負担が大きかった。
②自治会用に、携帯電話(PHS)を購入。会長・副会長・企画担当に配布しました。年間10万円程度になったため廃止しました。
③役員に、通信費(月額¥500)を支給しました。殆ど電話をしない役員もおり、不公平感が有るようです。